九州弁護士会連合会(九弁連)は、九州・沖縄地区(福岡高裁の管轄区域)
8県の弁護士会によって構成される弁護士会の団体です。

理事長の御挨拶

九州弁護士会連合会
理事長 笹川理子

理事長 笹川理子

九州弁護士会連合会(以下「九弁連」という)のHPにご来訪いただきありがとうございます。

今年度九弁連理事長を務めます鹿児島県弁護士会所属の笹川理子(ささがわみちこ)です。

突然ですが、皆さんは弁護士についてどのような印象をお持ちでしょうか?弁護士は法律の実務家、専門家ですが、裁判官や検察官とは異なり、民間の立場で活動する「在野法曹」と言われています。そして「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」こととされています(弁護士法第1条)。この弁護士の使命及び職務に鑑み弁護士自治が認められており、弁護士業務についてはどこの官庁からも監督されない反面、自ら弁護士としての品位を維持し、業務の改善進歩を図ることが要求されています。そのために弁護士の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的として強制加入団体として(同法第8条)設立されたのが県単位を基本に全国に52会組織されている弁護士会(同法第31条~)であり、全国組織である日本弁護士連合会(同法45条~)になります。

そして、同じ高等裁判所の管轄区域内の弁護士会は弁護士会連合会を設けることができる(法第44条)とされており、九弁連はその名のとおり九州(福岡高等裁判所管内)の弁護士会の連合会になります。九州というエリアでまとまって、管内各弁護士会とその所属弁護士相互間の連絡調整と懇親を図り、管内各弁護士会の活動の一層の活性化を促すと同時に、日弁連や管内各弁護士会と歩調を合わせて弁護士の品位保持と業務改善等に努め、究極において弁護士の使命である基本的人権の擁護と社会正義の実現に努めている、それが九弁連になります。

九弁連には、いざとなると「九弁連はひとつ」を合い言葉に強い団結力を示し、いろいろな課題に積極的に関わってはそれを乗り越え、司法の充実に寄与してきたという自負があります。今でこそ国の制度として広く法的整備がされるようになった被疑者国選弁護人制度ですが、その大元の「身柄拘束された方からの要請に応じて弁護士が24時間以内に無料で1回面会に行きます」という当番弁護士制度は、大分や福岡の弁護士会が始め、そこから九州、全国の弁護士会へと広まっていったものです。また、精神科病院に入院中の方を対象に退院請求等を援助する精神保健当番弁護士制度も、全国に先立って管内の全ての弁護士会に設置されるなど先駆的な取組がなされています。さらに、弁護士過疎解消のため、九弁連で基金を創設し、過疎偏在地域での活動を志す新人弁護士を養成する「あさかぜ基金法律事務所」を設立して、その運営に協力をしています。

このような九弁連活動の中心となるのは、人権擁護、高齢者・障がい者支援、子どもの権利、犯罪被害者支援、両性の平等・男女共同参画社会の実現、消費者問題といった分野ごとに現在29ある各種委員会や連絡協議会になります。これらの委員会や連絡協議会が、市民の皆さんの権利擁護に関する問題や、司法制度や憲法問題等の法制度に関する事項などについて情報収集、調査、研究を行い、その結果をシンポジウムやイベント、決議声明等の形で発表したり、資料にしたりしています。実は市民の皆さんに身近な問題もたくさんあって、ご参加いただける企画も充実していますので、まずは少し興味関心を持っていただき、私たち弁護士と一緒に考えてもらえればと思います。

また、毎年各弁護士会が持ち回りで開催する九弁連定期大会でも、開催地弁護士会がテーマを決めてシンポジウムを開催します。今年度の鹿児島大会ではLGBTQをテーマに、医療現場、教育現場、企業、自治体等における現状と課題、取組等を紹介しながら、皆さんと多様性の尊重について考えていく予定です。こちらも是非ご参加いただければと思います。

このように、九弁連は新しいことにチャレンジしながら、基本的人権や社会正義といった普遍的な価値を守る活動を続けています。弁護士の活動内容や社会的意義、そしてその魅力についてもできるだけ市民の皆さんにアピールをして、更に信頼される存在となるよう努力を重ねていきたいと思います。

最後に、九弁連で初めて女性の理事長を務めさせていただくことになりますが、多様性の1つとしての女性の視点を生かしつつも、決して性別にこだわることなく、「九弁連はひとつ」で司法の充実に寄与していきます。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年(令和5年)4月1日

九州弁護士会連合会

〒810-0044
福岡市中央区六本松4-2-5
福岡県弁護士会内
TEL: 092-741-6416 /FAX: 092-715-3207

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