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死刑執行に関する理事長声明

2016年11月11日,福岡拘置所において1名の死刑が執行された。2012年12月の政権交代後の死刑執行は10度目で,計17人に死刑が執行された。

死刑制度については,死刑が人間の尊厳を侵害する非人道的行為であること,誤判・冤罪により死刑を執行した場合には取り返しがつかないことなどの様々な問題を内包しており,2014年の内閣府世論調査では,代替刑の創設により死刑廃止を容認する国民的世論が形成されうる可能性が示唆される。

海外においては,EUを中心とする世界の約3分の2の国々が死刑を廃止又は停止し,死刑存置国とされているアメリカ合衆国においては2015年6月の時点で19州が死刑廃止を宣言するなど,死刑廃止は国際的な潮流となっており,未だに死刑制度を存置させ、死刑を執行しているわが国は,国連人権(自由権)規約委員会から何度となく死刑廃止に向けた行動をとることの勧告を受け続けている。

このような状況の中,日本弁護士連合会は,2016年10月7日の第59回人権擁護大会において「死刑廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し,死刑廃止の賛否両論がある中,2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであることを表明した。

もっとも,死刑廃止を含む刑罰制度全体の改革は,国民の付託を受けた国会で決定されることから,国民に対し,死刑制度の実態・問題点,死刑存廃議論(国連関連機関からの勧告,被害者・遺族の処罰感情の多様性・可変性,EUが死刑廃止を加盟条件にしている理由・目的など)に関する情報を提供して社会的議論を尽くす必要がある。

そこで,当連合会は,死刑執行について強く抗議し,死刑制度についての全社会的議論を求め,この議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止することを強く要請する。

2017年(平成29年)1月23日

九州弁護士会連合会
理事長 萩 元 重 喜