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公設事務所便り

あさかぜ日記

弁護士 滝本祥平(福岡)

自己紹介

はじめまして。本年11月からあさかぜ基金法律事務所に所属致しました。司法修習期は75期で、実務修習地は仙台、前の所属会は東京会でした。

私は、札幌市で育ち、北海道大学法学部入学後、同大学法科大学院へ飛び入学、修了して弁護士になりました。

私は、もともと北海道の司法過疎地域に支部を持つ東京の弁護士事務所に入所していました。というのも、弁護士過疎地域の問題に強い関心を持ち、その解決に貢献したかったからです。ただ、残念なことに、前の事務所のボスの期待に応えることができず、上記支部への赴任が絶望的になったことから退所するに至りました。

前の事務所を退所し、東京会の刑事弁護研修で割り振られた当番弁護事件、被疑者国選事件を全うしつつ、就職活動をしていました。その中で、弁護士過疎地域の問題解決への貢献という私の希望を知っている修習時の民事弁護教官から、「あさかぜ」なら直ちに紹介できる旨伝えられました。

ほかにもさまざまな理由がありますが、この紹介があったこと及び、弁護士過疎地域の問題解決への貢献という私の希望すなわち、司法過疎地域への赴任へ向けた熱意を捨てられなかったことから、縁もゆかりもない福岡へ引っ越すことを決断し、「あさかぜ」へ入所致しました。弁護士過疎地域の中には定着が困難な場所がいくつかあり、弁護士過疎地域の問題を解決するには常に入れ替われる人材が必要です。そこで、修習生にも、興味を持ってもらいたいという思いから、「あさかぜ」について紹介します。

3人の指導担当

「あさかぜ」の指導は、指導担当の弁護士が3人つくというのが特色です。この指導担当という制度は、「あさかぜ」外部の先生の相談や事件を共同して行わせていただくというものです(指導担当に就いていただく先生は、あさかぜのOB・OG以外の先生であることが多いように思われます)。従前は経験豊富なベテランの弁護士についていただくことが多かったようです。私については、試みに比較的若手の3名の先生についていただきました。

「あさかぜ」の指導担当の先生は、「あさかぜ」に頻繁に出入りしているわけではありません。そこで、適切なタイミングで事件をいただけるよう、私のほうから、いろいろ持ち掛けていこうと考えています。この指導担当の先生と共同で相談・事件を行うにあたっては、あさかぜのOB・OGからいくつか助言をいただいて、その助言を活用しています。助言を活用した結果、同族閉鎖会社の支配権をめぐる紛争についての法律相談や管財人である指導担当の先生と破産申立人の面談にも立ち会わせていただきました。また、設計料の支払いを求める紛争について関与させていただきました。

研修の充実

「あさかぜ」は、研修が充実しているのが特色です。日弁連の公設事務所研修のほか、不定期であさかぜ研修という「あさかぜ」独自の研修もあります。あさかぜ研修は、「あさかぜ」の所員が内容を企画し、外部講師を招いて知識やスキルを習得するものです。1月には、壱岐・対馬はもとより、福岡も国境に近接しており、外国籍の居住者も多いことから、国際的な活動の重役を複数務めておられる松井仁弁護士に 講師を依頼する予定になっております。楽しみです。

ほかに、月1回のペースであさかぜゼミと称する勉強会もやっています。

あさかぜ“基金” ってなに?

「あさかぜ」は、司法過疎地域(人口当たりの弁護士の数が少ない地域)に赴任する弁護士を養成するため、九州弁護士連合会が創設した“基金”から拠出された資金で設立されました。「あさかぜ」に所属する弁護士は、最長3年間の養成期間を経て、原則として九州の司法過疎地域に赴任します。

司法過疎地域への赴任へ向けた熱意を忘れずに努力を尽くしますので、今後とも、皆様のご支援、ご協力くださりますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

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