あさかぜ日記
あさかぜ基金法律事務所 高田 誠
自己紹介
はじめまして。本年4月からあさかぜ基金法律事務所に勤務しています。司法修習期は74期で、実務修習地は福岡でした。
私は、福岡市で育ち、九州大学法学部を卒業後、検察事務官として勤務し、西南学院大学法科大学院を修了して弁護士になりました。
私は、もともと特任検事を経て法曹資格を取得するために検察事務官になったのですが、当時は法科大学院を修了するルートのほうが法曹資格を早く取得できそうでした。そのため、思い切って検察事務官を辞職し、法科大学院に入学したというわけです。もっとも、司法試験に合格するまでかなり時間がかかりましたので、見通しが甘かったと今では大いに反省しています。
私が当事務所に入所することにしたのは、「離島で一人で仕事をすると、弁護士としての実力が一番つく」というある先輩の言葉でした。修習生にも、当事務所に興味を持ってもらいたいという思いから、「あさかぜ」について紹介します。
指導体制について
「あさかぜ」の指導は、指導担当が3人つくというのが特色です。私は、ある指導担当弁護士のご厚意で、その事務所に頻繁に行って、指導を受けています。弁護士業務についての指導はもちろん、その事務所の所長弁護士から弁護士としての気構えについても教わりました。たとえば、先輩弁護士との関係、事務員に対する責任、事務所経営などについてです。中でも、「高田君、弁護士も結局、最後は人間力なんだよ」という言葉がとても印象に残っています。
3人の指導担当弁護士に指導を受けていると、弁護士によって仕事のやり方が違うことを発見しました。前職では、検察官同一体の原則のもと、事務処理が検察官によって異なるということはほとんどありませんでした。そして、同じ体裁で仕事をするのが当然と考えていました。しかし、弁護士は、たとえば、訴状の形式的な面についても人によって異なったりして、面白いなと思いました。みんな違ってみんないいですね・・・。
研修について
「あさかぜ」は、研修が充実しているのが特色です。日弁連の公設事務所研修のほか、不定期であさかぜ研修という「あさかぜ」独自の研修もあります。あさかぜ研修は、「あさかぜ」の所員が内容を企画し、外部講師を招いて知識やスキルを習得するものです。11月には、過疎地での開業について講義を受けるため、宮崎県小林市と熊本県人吉市に泊りがけで行くことになっています。楽しみです。
ほかに、月1回のペースであさかぜゼミと称する勉強会もやっています。
あさかぜ“基金”ってなに?
「あさかぜ」は、司法過疎地域(人口あたりの弁護士の数が少ない地域)に赴任する弁護士を養成するため、九州弁護士会連合会が創設した“基金”から拠出された資金で設立されました。「あさかぜ」に所属する弁護士は、最長3年間の養成期間を経て、原則として九州の司法過疎地域に赴任します。
一生懸命がんばりますので、今後とも、皆様のご支援、ご協力をいただきますよう、よろしくお願いします。