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公設事務所便り

島原中央ひまわり基金法律事務所


弁護士 吉澤愛

事務所紹介

当事務所は、全国で103番目のひまわり基金公設事務所として、平成23年1月25日、長崎県島原市に設立されました。

長崎地方裁判所島原支部の管内には、島原市・雲仙市・南島原市の3市があり、平成23年3月1日現在、3市合計でおよそ14万7000人の人口を擁する地域です。

島原半島内には、従前から有明ひまわり基金法律事務所がありましたが、当事務所の開設とほぼ同時期に雲仙市に法テラス雲仙法律事務所が設立され、現在は半島内に弁護士3名が常駐する体制となっています。

1月25日の開所式の模様は、地元紙に取り上げられたほか、地元のケーブルテレビでも放映されました。弁護士に対する当地の期待はとても大きいので、私もそれに応えられるよう、日々研鑽しています。

事件の傾向

当地では、思ったほど債務整理の依頼が多くありません。むしろ、一般民事(とりわけ遺産分割事件)や、行政に対する不服の相談が目立ちます。今まで役所や関係機関などいろいろなところに相談したが埒があかず、当事務所にやっとたどり着いたとおっしゃる方が大半です。相談者の主張をどうしたら法的に実現できるのか、条文に書いていないことも多く、過去の判例や文献を参考にしながらアドバイスをしています。

また、一般の金銭消費貸借について、当地では、債権者が債務者の親戚に請求したり、親戚が自ら望んで支払うケースがあるようです。借りた金は返すという風潮が根強く残っているようで、単に法的アドバイスをしただけでは当事者が納得しないこともあります。

刑事事件もコンスタントに受任しています。新聞を見る限り、当地は飲酒運転が多いようですが、まだ業過事件は受任していません。

楽しみ

相談者と話をする際、一見どうでもいいような脇道の話に逸れることがよくあります。しかし、そのようなよもやま話の中にこそ、当地の景気状況や、島原半島の住民のメンタリティのようなものが垣間見えることがあります。そのような話は、改まって聞き出そうと思ってもなかなか聞けない話ですから、私はむしろ楽しんで聞くことにしています。話をじっくり聞くことは、依頼者の信頼にもつながりますので、一石二鳥です。

むすび-九弁連との深い縁

私は、九弁連が福岡県に設立した都市型公設事務所「弁護士法人あさかぜ基金法律事務所」で2年間の養成を受けました。この間に経験した事件処理や事務所経営のノウハウは、現在、とても役に立っています。九弁連は、私を一人前の弁護士に育ててくれました。これからは、九弁連に恩返しをするつもりで、島原半島の皆さんの法的ニーズに応えたいと思います。

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