赴任5年目を迎えて 鹿屋ひまわり基金法律事務所
松山清一郎(まつやませいいちろう)57期
1 はじめに
私が沖縄から鹿児島県鹿屋市に登録替えをしたのは平成19年10月1日のことであり,あっという間の4年間でした。赴任した直後に本だよりに寄稿し,その際当地での仕事の内容を紹介しましたが,それ以降仕事上では特段の変化はありません。
このたび再び寄稿の番が回ってきましたが,変わり映えのしない仕事内容を繰り返しても面白みに欠けるため,思い切って仕事抜きの当地の紹介に徹する内容としました(以下仕事内容に触れていませんのでご容赦ください。)。
2 鹿屋のいいところ
とにかく鹿屋はいい土地です。鹿児島市ほどは降灰の心配がなく(それでも冬場は灰が降り,洗濯物が外に干せない日が続きます。要は比較の問題です。),空気が旨く(ただ夏場などは近くの畜産場から牛豚の糞尿の臭いが漂ってくることがありますが,慣れればなんとかなります。要は忍耐の問題です。),飯も旨い(鹿児島県は全国有数の農産地及び畜産地で,その中心が大隅半島で,美味しい野菜や上等な牛肉豚肉の生産地です。垂水市は全国有数のかんぱち水揚げ量で魚も美味しいです。材料は一流で折り紙付きです。要は美味しく料理する店をいかに発見するかが課題です。),酒も旨い(鹿児島は言わずとしれた芋焼酎の生産地です。我が家の周りも芋畑です。近所の人は小鹿か大海しか飲みません。要は好みの問題です。)。
映画館もありますし(リナシティかのやに常設映画館ができました。最新の映画が少し遅れて上映されますが,とにかく鹿屋には映画館があるんです!),プラネタリウムもあります(プラネタリウムは都会のステイタスです!?)。リニューアルしたTSUTAYAはいつもお客さんでいっぱいです(あまりに混んでいて入る気になりません。)。
3 我が家の年中行事
何一つ不便のない鹿屋がいかにいいところか,我が家の年間イベント表を簡単にご紹介したいと思います。
【冬】1月 鬼追い祭り。曽於市末吉町の無形文化財に指定されている奇祭です。御幣を髪に見立て頭にまとった鬼を追いかけ、髪をむしり取るお祭りで,鬼から棒で叩かれると1年無病息災と言われております。
1月~3月 近所の農園でイチゴ狩り。摘み取ってきたイチゴで2月の長女の誕生日ケーキを作ります。
【春】4月 オタマジャクシ採り。田代の花瀬公園の石畳には山ほどオタマジャクシがいます。網ひとすくいで100匹近く捕獲でき,子供たちは大騒ぎです。家に持って帰り庭の池(発砲スチロールを埋めたもの)に逃がすと,夏場にカエルが庭を飛び回って大変賑やか風情があります。
5月 志布志湾に潮干狩りに行きます。天然の貝(アサリより小粒)は味噌汁に,捕獲したカニは油で揚げて食します。この時期は夜にホタル観賞します。
6月 田植え。田植えのイベントに参加させてもらい,家族で田植え体験をします。田んぼをカニが歩いていたりして不思議な発見ばかりです。
【夏】7月~8月カブトムシ・クワガタ採りが子供たちの一大イベントです。毎日が虫取りに明け暮れる日々です。花火大会も各町で開催されます。今年は吾平花火大会で当事務所と吾平町のさけ朝倉,新村畜産の協賛で8合玉の花火を打ち上げました。
9月 旧暦8月15日前後の週末に笠之原町で綱引き大会が催され,その綱を3日かけて大人たちで藁から編み上げます。私も綱作りから参加しておりますが,町の一大イベントで大変盛り上がります。
【秋】10月 運動会。家族みんなで参加するイベントです。我が子の成長ぶりを再確認する貴重な一日ですが親も大変です。
11月 弥五郎どん祭り。曽於市岩川八幡神社の弥五郎どん(身長約5m)が、市街地を練り歩きます。我々にとっては同時期のおはら祭りよりこちらが大事です。また月末にはツールドおおすみが開催され,私は毎年大隅半島を自転車で約100キロ走破しております(今年から実行委員にもなりました)。
12月 クリスマス長男二男の誕生日が1週間でラッシュで続き,親はくたくたです。
【不定期】種子島からのロケット打ち上げが肉眼で確認できます。夜条件が整うとブースターの切り離しまではっきり見えて感動ものです。子供より親が興奮してしまいます。
4 最後に
このように4年間暮らしてみて(代用監獄が志布志にもあり接見に行くのに片道1時間かかるとか,鹿児島市まで2時間かかるので本庁事件や拘置所面会が苦労するとか,空港まで1時間半かかるので出張がおっくうになるとか,最寄りの高速インターまで1時間半かかり高速に乗る前に疲れてしまうとか,そんな細かいことは抜きにして),何一つ悪いところが見あたらない地です。
鹿屋支部の事件を受けられた弁護士の先生方,電話会議で済まさず,是非足を運んで泊まっていただき,たくさんお金を落として,大隅半島に貢献してください。お待ちしております。