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公設事務所便り

あさかぜ日記

弁護士 古賀祥多(福岡)

あさかぜ基金法律事務所のこと

あさかぜ基金法律事務所は、九州弁護士会連合会が、九州地区における弁護士過疎・偏在地域で弁護士業務を行おうとする弁護士の育成と確保を図ることにより、弁護士過疎・偏在地域における法的サービスの拡充と国選弁護制度の対応態勢の確立等、市民の弁護士アクセスの改善をめざし、それによって基本的人権の擁護と社会正義の実現に資することを目的として、設立した事務所です。

今回は、私が参加した、あさかぜ基金法律事務所に関連する二つの会議についてご報告いたします。

都市型公設事務所等連絡協議会に参加して

一つ目は、日弁連で開催された、「都市型公設事務所等連絡協議会」です。これは、各地の都市型公設事務所等(弁護士会等が設立した事務所のことです)における人材育成のノウハウを共有すること等を目的とする協議会です。

本年度協議会では、午前に「法人後見の取組と今後の課題」と題し、法人後見に取り組む公設事務所弁護士間でのパネルディスカッションが行われ、午後は、分科会方式で新人募集、被養成者による養成体制、養成者による養成体制等について議論がなされました。

私は、午前・午後ともに出席し、午後は、被養成者による養成体制を議論する分科会に参加しました。分科会では、全国にある養成事務所で養成を受けている弁護士から、自分の事務所の養成体制、事件担当数、事件の管理方法といったことをテーマとし、 様々な意見交換をしました。私は、同じ養成事務所でも養成体制が様々であることを知り、大変勉強になりました。また、分科会に参加している弁護士は、私と同じ弁護士1年目の弁護士が多数出席しており、一生懸命に頑張っている同期の弁護士の姿を見て、大変刺激を受けました。私も、他の養成事務所の弁護士に負けないよう、一生懸命努力をしていかなければならないと痛感しました。

公設事務所・法律相談センターに関する九州ブロック協議会に参加して

二つ目は、「公設事務所・法律相談センターに関する九州ブロック協議会」で、本年度は、鹿児島にて実施されました。こちらは、弁護士過疎・偏在対策問題に関する取り組みについて、九弁連管内の弁護士が情報共有・意見交換を行うことを目的とする協議会です。

同協議会では、各単位会での法律相談事業の現状等や、弁護士過疎・偏在対策の現状等について、統 計データだけでなく、生の現場の声を聞く機会があり、大変勉強になりました。各単位会でさまざまな試行錯誤がなされており、全地域すみずみに司法サービスが展開されるようにするにはどうすればいいのか、ということを模索している姿を見ていると、私もより一層精進し、弁護士過疎・偏在対策問題の解消に貢献できる弁護士になりたい、と思いました。

1年間を振り返って

あさかぜ基金法律事務所の弁護士は、約2年間の養成期間を経て、九弁連管内の司法過疎地域に赴任することになっております。私が弁護士になったのは2016年12月でしたので、入所してから約1年経過したことになり、大体折り返し地点に到達したことになります。

思い返せば駆け足で過ごした日々で、この1年は、大変充実していました。一人で出張法律相談を担当することになり、出張前に聞いた相談の概略を踏まえて準備して臨んだこと、はじめて単独で事件を担当することになったとき、事件を解決することが非常に難しいと感じたこと、期日のときに、緊張しながらも、依頼者の最善を求め、一生懸命弁論したこと等、すべて大切な思い出です。

現在も、全ての事件に対して一生懸命であること は変わりありません。しかし、今後、入所当時の気持ちを忘れないだけでなく、むしろ、今回ご報告させていただいた二つの協議会をはじめとして、この1年間で学んできたことをしっかり噛みしめ、より一層情熱をもって、日々精進して参りたいと思います。

皆様方には、ご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

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